稲荷神社について
京王井の頭線『久我山駅』の近くにある神社です。

祭神
受持命(うけもちのみこと)
大日孁貴(おおひるめのむち)
境内社
八雲神社(やくもじんじゃ)
天満天神社(てんまんてんじんじゃ)
所在地
東京都杉並区久我山3-34-14

久我山稲荷神社の御祭神は受持命です。「うけ」や「うか」は食物を表す言葉で豊受大神(とようけのおおかみ)や宇賀神(うがじん)などの神様も同一神であると言われています。
全国各地に稲荷神社は存在しており祭られている神様は上記のように様々ですので、私は「稲荷神社の神様は食物の神様」というくらいの認識で、敬意をこめて「稲荷神」「稲荷様」「お稲荷さん」と呼んだりもします。
お稲荷さんの場合、現在その神社で正式に使われている名前かどうかを気にするよりも、信仰の対象としてのお稲荷さんへの想いのほうが大切な気がするからです。
稲荷神社はその土地土地に深く根付いてみんなから愛されていますので。
また、そういった経緯と歴史の中で農民だけでなく商人からも信仰を集めたことから、商売繁盛の神様としての側面も併せ持っています。
大日孁貴も祭られている
明治時代には近くの天祖神社(てんそじんじゃ)が合祀されたので御祭神にはもう一柱、大日孁貴こと天照大神様がいらっしゃいます。
まさに地域密着オールマイティな神社だと私は感じました。
そしてそれは境内社を見ても感じられることでした。
境内社・天満天神社

境内社のひとつは天満天神社で御祭神は菅原道真公(すがわらのみちざねこう)です。
言わずと知れた学問の神様であり、小さなお社でしたが横には受験合格などを祈願されたと思われる絵馬がたくさん掛けられていました。
こうして地元の天神様にお参りされる方がたくさんいることを想うと(当の受験生は必死でしょうから申し訳ないですが)少しほっこりしました。


境内社・八雲神社

もうひとつの境内社、八雲神社の御祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)です。
別名は大国主命(おおくにぬしのみこと)で国造りの神様ですが、縁結びや医薬の神様としても有名ですね。
小さいお社で一般知名度的にはお隣にいらっしゃる天神様に押されてしまいそうですが、しっかりお参りされることをお勧めします。


庚申塔(こうしんとう)

最後になりましたが、入口の所に庚申塔がありました。
こちらは養蚕の円満を願って建てられたとのことです。
今は養蚕に直接かかわっている人はあまりいないと思いますので、庚申様こと猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)は道案内の神様ですから、人生の道に迷っている時などにお参りされると良いのではないかと個人的には思います。

稲荷と秦氏
番外考察として稲荷と秦氏の関係について少しだけ触れて終わろうと思います。
稲荷神社はもともと秦氏の祖霊をお祭りしたことを起源としているそうです。
「秦氏と言えば京都では?」と思われる方もいるかもしれませんが、関東のほうにもご縁があるようです。
例えば神奈川県にある秦野はまさに「秦氏が住んでいる土地」であることを意味する地名ですし、下の写真は久我山稲荷神社境内にある看板ですが、左下を見ていただければ分かる通り「奉納 秦重吉」と秦さんのお名前がありました。

稲荷神社が全国各地にたくさんあることを考えると、秦氏(秦さん一族)は京都だけでなく日本中の村や町造りをしたのではないかと思えてきます。
それは建物を建てたという意味だけではなく田畑や治水もだろうし、それこそ日本人の生活を作ったのかも知れないと思うと感謝の気持ちが湧いてきます。
いつか機会があれば秦さんとお話してみたいものです。


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